【その11】 改正建基法が全面施行/38条認定と適判簡素化/政令・省令順次施行へ 

 1日に全面施行される改正建築基準法。特に建築界や建設業に好影響を与えるとみられているのが、革新的な新技術や新材料の開発、実用化を促す規制緩和と、建築主の負担を減らす構造計算適合性判定(適判)制度の簡素化だ。これらの改正項目の具体化を後押しする特例措置の導入や詳細な運用ルールが定められた政令・省令も同日から今夏にかけて順次施行される。規制緩和では、新技術や新材料の性能規定化で2000年に削除された「38条認定」が復活する。法令では対応できない新技術や新材料の使用を、個別のプロジェクトごとに国土交通大臣が特例的に認定する仕組みだ。斬新なデザインが特色の東京都庁舎や東京ビッグサイトといった1990年代までに建設された多くの有名建築物に旧38条認定が利用されている。38条認定の復活で、技術的知見が十分に蓄積されていない特殊構造方法なども、大臣認定によって迅速に採用することが可能になる。このため、今後は建築界や建設業以外にさまざまな分野からの新規参入も加速すると国交省は予想している。
  民間事業者の新技術の開発意欲が高まって革新的な技術の実用化が進んでいけば、経済成長や防災・減災にも大きく貢献するとみられている。1日に38条認定への申請手続きの方法や手数料を定めた省令が施行される。今夏には、旧38条認定を受けて建設されたビルの増築などを円滑に行えるようにする政令・告示も施行される。適判制度の簡素化では、建築主が特定行政庁の建築主事か知事の指定確認検査機関をいったん通して行うことが必要だった適判機関への判定申請や判定結果の受け取りを、適判機関との間で直接できるようにした。建築主の負担軽減が狙いで、建築確認と適判の手続きを同時並行で行えるようにもなる。その代わりに国が高度な知識と経験を持つ判定員を資格者として登録する制度を導入、適判の質を担保する。適判制度の詳細な運用ルールや、建築主の負担を減らす特例措置の導入などを定めた政令・省令・告示はすべて1日に施行される。  

                                                          2015.6.1 建設工業新聞より

 


  【その10】 受検資格、実務経験5年以上/適判の検定・登録は6月から/国交省 

 国土交通省は、改正建築基準法の施行に伴う関係政省令・告示の制定・改正案をまとめた。構造計算適合性判定制度(適判)の合理化を目的に改正法で創設した資格者検定と資格者登録が大きな柱。実務経験などの受検資格を定めて必要な環境整備を行った形だ。25日までを期間にパブリックコメントを実施。2015年1月中旬または下旬に政省令を公布する。告示は未定。同年6月1日から施行する。
  政令では、検定の受検資格である実務経験として、1級建築士試験に合格した者で5年以上の構造設計の実務経験を持つ者、指定確認検査機関などで確認審査の業務(構造関係の審査の業務を含むものに限る)に携わっている者に加え、建築物の構造関係の審査の業務であって国土交通大臣が構造計算適合性判定の業務と同等以上の知識および能力を要すると認めたものと規定。
  「同等以上の知識および能力を要するもの」として、告示に住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく、登録住宅性能評価機関が行う住宅性能評価の審査業務を定めて、住宅性能評価の審査業務に携わる者も受検ができるものとした。
  また、適判対象の見直しで、確認審査が比較的容易にできる特定構造計算基準および特定増改築構造計算基準として、許容応力度計算(ルート1)、許容応力度等計算(ルート2)、保有水平耐力計算(ルート3)の構造計算のうち、これまで適判の対象となっていたルート2を、一定の要件を満たす建築主事や確認検査員が審査する場合に限って適判の対象外とすることを規定。一定の要件として、省令に構造設計一級建築士、構造計算適合判定資格者検定の登録を受けている者(構造計算適合判定資格者)、国土交通大臣の登録を受けた登録特定建築基準適合判定資格者講習を修了した者と定めた。  

                                                          2014.12.12 建設通信新聞より

 


  【その9】 改正建築基準法が成立/適判制度を簡素化/木材利用促進へ規制緩和 

 建築主の負担を減らす構造計算適合性判定(適判)制度の簡素化や、木材使用の規制緩和などを盛り込んだ改正建築基準法が29日の衆院本会議で可決、成立した。事故が発生した施設への立ち入り検査を強化し、再発防止を図る体制も整える。一部を除き公布から1年以内に施行する。
 適判制度では現在、建築主が特定行政庁の建築主事または国土交通相が指定する建築確認検査機関をいったん通してから、知事または国交相が指定する機関で適判を受けている。改正法ではこの流れを見直し、建築主が適判を知事または国交相の指定機関に直接申請して結果を受け取れるようにする。従来は構造計算が建築基準法令に不適合だった場合、建築確認の再申請などが必要になり手続きが大幅に長引く原因になっていた。
 木造建築関連基準の見直しでは、3階建て以上の学校や延べ3000平方メートル以上の大規模建築物を木造で建てやすくする。これらの施設は現在、木材の表面を全面的に石こうボードで被覆して耐火構造にする必要があるが、ひさし・バルコニーを設置するなどの一定の防火対策を行えば、石こうボードで被覆せずに済む準耐火構造でも建てることができるようにする。国土面積の7割を占める森林の利用拡大が目的だ。
 躯体や設備に関する定期調査・検査や、事故や災害後の調査体制も強化。定期調査・検査の見直しでは、昨年10月に福岡市で発生した病院火災による死亡事故を教訓に、不特定多数が利用する建築物を一律に調査・検査の対象にする。このほかの建築物は、特定行政庁が地域の実情に応じて独自に対象に指定できる。防火戸は有資格者による調査・検査を義務付ける。事故や災害後の調査体制の見直しでは、エレベーターやジェットコースターで事故が相次いでいることから、国が施設や設備の製造者などに立ち入り調査・検査を行えるようにする。
  現行基準では対応できない建築材料や新技術の導入を促進するため、国交相の認定制度も創設する。特定行政庁だけが行える工事中建築物の仮使用承認を、一定の要件を満たせば指定確認検査機関でもできるようにする。容積率の緩和要件も広げ、容積率の算定対象にならない床面積の用途にエレベーターの昇降路部分や老人ホームの地下部分(上限3分の1)を追加する。定期調査・検査の強化は公布から2年以内、容積率の緩和要件の拡大はエレベーターの昇降路部分に限り6カ月以内、そのほかの改正項目は1年以内の施行を目指す。  

                                                          2014.05.30 建設工業新聞より

 


   【その8】 建設業法の一部改正案が3月7日閣議決定 

 標記法案について3月7日閣議決定され、国土交通省から関係資料が公表された。
 改正の背景は、近年の建設投資の大幅な減少による受注競争の激化により、ダンピング受注や下請企業へのしわ寄せが発生した結果、離職者の増加、若年入職者の減少等による将来の工事の担い手不足が懸念されるところである。また、維持更新時代の到来に伴い、解体工事等の施工実態に変化が発生している。 このため、建設工事の適正な施工とその担い手の確保を図るため、ダンピング対策の強化、維持更新時代に対応した適正な施工体制の確保等の所要の措置を講ずる必要がある というものです。 
  なお、詳しい改正概要は以下のとおりです。


 ※ 国交省報道発表資料 → http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000248.html

                                                           2014.03.07 国交省HPより

 

 
   【その7】 建築基準法の一部改正案が3月7日閣議決定 

 標記法案について3月7日閣議決定され、国土交通省から関係資料が公表された。
 改正の背景は、より合理的かつ実効性の高い建築基準制度を構築するため、木造建築関連基準の見直し、構造計算適合性判定制度の見直し、容積率制限の合理化、建築物の事故等に対する調査体制の強化等の所要の措置を講ずるというものです。 
 なお、詳しい改正概要は以下のとおりです。


 ※ 国交省報道発表資料 → http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000467.html

                                                           2014.03.07 国交省HPより

 


    【その6】 国交省、「シェアハウスは寄宿舎」 文書で正式発表、是正指導進める 

 国土交通省は9月6日、特定行政庁に対して、いわゆるシェアハウスは建築基準法において「寄宿舎」に該当すること、また、寄宿舎に求められる間仕切り壁の耐火性を満たすことが必要であり、それらに違反する場合は是正指導を進めるよう通知した。
 寄宿舎に該当した場合、通常の住宅では求められない間仕切り壁の耐火性確保が必要になる。これまでは、戸建て住宅などをシェアハウスとして活用する場合、この耐火性確保を求められるケースはほとんどなかったが、今回の通知で特定行政庁がどのような判断を下していくのか、注目が集まる。


 ※ 国交省報道発表資料 → http://www.mlit.go.jp/common/001010619.pdf

                                                           2013.09.09 住宅新報より

 


    【その5】 建築基準法施行令の一部を改正する政令について(天井落下防止等関係)

 標記政令について7月9日閣議決定され、国土交通省から関係資料が公表された。
 改正の背景は、平成23年3月に発生した東日本大震災において、大規模空間を有する建築物において天井が脱落した事案が多数生じたことや、エスカレーター等の脱落事案が複数確認されたことから、今般、建築物等のさらなる安全性を確保するため、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「令」という。)を改正するというものです。
 改正概要は以下のとおりで、今後のスケジュールは、平成25年7月12日公布、平成26年4月1日施行としている。


1.天井の脱落防止措置

(1)特定天井(脱落によつて重大な危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める天井をいう。以下同じ。)は、構造耐力上安全なものとして国土交通大臣が定めた構造方法又は国土交通大臣の認定を受けたものを用いるものとし、また、特に腐食、腐朽その他の劣化のおそれがあるものについては、その防止措置を講ずるものとする。

(2)建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第3条第2項の規定により法第20条の規定の適用を受けない建築物の増改築が法第86条の7の制限の緩和を受ける要件として、特定天井が、脱落のおそれがないものとし て国土交通大臣が定める基準に適合する構造方法に該当しなければならないこととする。

2.エレベーター、エスカレーター等の脱落防止措置

(1)エレベーター及び遊戯施設は、釣合おもりについて地震その他の震動により脱落するおそれがないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとし、また、構造計算により地震その他の震動に対して構造耐力上安全であることを確かめることとする。

(2)エスカレーターは、地震その他の震動により脱落するおそれがないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであることとする。

                                                           2013.07.09 国交省HPより

 


    【その4】 建築士詐称問題 確認申請時に免許証原本照合 国交省、省令改正し6月施行へ

 1級建築士の免許証の写しを偽造する問題が昨年から相次ぎ発覚していることを受け、国土交通省は再発防止に向けた対策を強化する。建築基準法施行規則(省令)と、建築確認審査などに関する指針(告示)を一部改正し、建築確認申請時に免許証の原本確認を行うようにする。省令と告示の改正案をこのほど公表した。一般からの意見募集を行った上で正式決定し、6月からの施行を目指す。
  不正行為の再発防止に向け、同省は確認審査での建築士の本人確認の方法の明確化を進める。現行の確認審査に関する指針では、所定の建築物の確認審査、完了検査と中間検査について、設計者と工事監理者が建築士法に規定する建築士であることなどを確認するとされているが、具体的な確認方法は示されていない。
  今回の改正により、▽建築主事または指定確認検査機関が建築士名簿と照合して確認▽申請者に対し建築士免許証、構造設計1級建築士証と設備設計1級建築士証の原本提示−の二つのいずれかで確認することを明確に定める。
  併せて、建築基準適合判定資格者検定についても、受検申し込み時に1級建築士免許証の写しを求めていることから、同様に対応を見直す。今後は受検申し込みの受け付け側で申込者と建築士名簿との照合を行って1級建築士であることを確認し、写しの提出は不要とする。

                                                           2013.01.31 建設工業新聞より

 


    【その3】 虚偽出願は3年間の受験禁止 一級建築士試験

 国土交通省は、一級建築士試験の受験禁止措置に関する基準案をまとめた。カンニングや虚偽出願といった不正行為を行った者に、1年〜3年間の受験禁止というペナルティーを与える考え。基準案に対する一般からの意見を10月31日まで募集した上で、次回の試験から適用を始める方針だ。
  建築士法では、建築士試験の出願時や受験時の不正行為に対し、3年以内の受験禁止措置を講じることを可能としている。ただ、個々の不正行為に対する措置は明確となっていなかった。このため、基準案では▽他の受験者の答案をのぞき見るなどの不正行為には1年▽参考書、メモを取り出し利用できる状態に置くなどの不正行為には2年▽虚偽の出願によって一級建築士試験を受け、もしくは受けようとするなどの不正行為には3年―の受験禁止期間を設けることとした。
  過去に不正行為を行った者が、再度不正行為を行った場合は、受験禁止期間を加重することができる。設計製図試験での不正行為により、受験禁止措置を講じる場合には、学科試験合格を無効とする。
  二級・木造建築士試験の不正行為に対する基準は、各都道府県が必要に応じて定めることになっている。

                                                             2012.10.02 建通新聞社より

 


    【その2】 自治体に建築士派遣 文科省が非構造部材の耐震化で

 文部科学省は、学校施設の非構造部材の耐震化促進に向け、地方自治体向けの専門技術者派遣事業を立ち上げる。技術者不足に悩む自治体に同省が一級建築士を派遣し、耐震点検の実施や耐震対策の速やかな実施を技術面でサポートする。全国5会場で開く講習会への参加を条件に、派遣する一級建築士200人程度を登録する。
  全国の小中学校3万0395校における非構造部材の耐震対策の実施率は32%で、構造体の84・8%に比べ大きく遅れている。文科省のアンケート調査では、非構造部材の耐震点検が完了していない地方自治体の25・9%が、対策が進まない理由として「職員の業務量的に困難」と回答。技術職員を配置していない教育委員会は49%に上り、対策を進める上で自治体の人員・能力不足が大きな課題になっている。
  こうした実態を踏まえ、文科省は13年度から技術者不足の問題を抱える自治体に一級建築士を派遣する事業を開始する。13年度予算の概算要求には事業費5億1600万円を盛り込んだ。
  文科省は、建築学会などに協力を求めて非構造部材に関する講習会を全国5会場で開催し、一級建築士の参加を募る。講習会を受講した建築士を都道府県を通じて希望する市町村に派遣し、屋内運動場の天井落下防止対策をはじめ、非構造部材の危険度や対策の優先度の判断、応急措置に関する技術支援を行う。
  文科省は12年度予算で防災機能強化のための補助制度を拡充し、それまで構造体の耐震化と同時に実施することを求めていた非構造部材の耐震化を単独で実施することも認めることにした。補助率は3分の1で、補助の上限は2億円としてる。

                                                             2012.09.14 建通新聞社より

 


    【その1】 建築基準制度見直しに着手 国交省

 国土交通省は、建築基準制度の見直しに向けた検討に着手する。10日の社会資本整備審議会建築分科会で建築基準制度部会を新設し、構造計算適合性判定(適判)制度や木造建築関連基準、耐震改修促進法などの在り方を当面の課題と位置付けた。今後1年間程度議論を重ねた上で一定の成果をまとめる。その後、建築法体系全体の在り方など中長期的な課題について検討を進めていく。
建築基準制度をめぐっては、法体系が複雑で分かりにくいとの指摘に加え、多様化・高度化するニーズへの対応や新技術導入の円滑化、安全・安心の確保に向けた災害・事故対策の推進、既存建築物対策の充実強化といった社会的要請も強まっている。
同省の「建築法体系勉強会」が12年3月に行った論点整理でも、▽時代の変化に対応した分かりやすい規制体系への移行▽実効性が確保され、効率的な規制制度への見直し―などの必要性が指摘された。
こうした状況を踏まえ国交省は、新たな部会を設けて建築基準制度を再検証した上で、制度を見直していくことが必要と判断した。検討に当たっては、@適判制度などの建築検査制度A木造建築関連基準B耐震改修促進法など関連規制―の3項目を短期的な課題として具体化していく。
適判制度などの検討に当たっては、的確・効率的な検査の実施に向けた制度や、効率的で実効性のある計画変更手続きの在り方を検討。木造建築関連基準は、公共建築物木材利用促進法の施行などを踏まえ、木材利用を促進する観点から建築基準の緩和を視野に入れている。耐震改修促進法については、既存不適格建築物の耐震化を進めていくための規制の在り方などを議論する。

                                                             2012.09.11 建通新聞社より